鈴木 得意なことも苦手なことも受け入れて。ひとりひとりが安心して通える場所へ
体調やメンタル面は変化せざるを得ないもの
自身が持っている障がいや体調面の変化によって、今までできていた作業が出来なくなってしまう利用者さんを見かけます。
急に眠気が襲い作業に集中できなくなる、周りの雑音に気を取られ感情のコントロールが出来なくなるなど、自分自身を保つことができなくなり作業どころではなくなってしまうのです。
本来の一般的な「仕事」であれば、眠気が襲おうが雑音が流れていようが仕事に集中しなくてはならないでしょう。
無理やりにでも起きて、業務をこなさなければいけない場面も少なくありません。
しかし、本人の状態を無視して作業に集中するよう無理強いするのはどんな現場でもあってはならないことです。
どんな人でも体調面や情緒面が不安定になってしまいます。言わば心身のSOSのようなものであり、そのSOSを無視して作業に取り組み続けてしまうと、さらに心身の状態が悪化するおそれがあります。
体調やメンタル面の変化を受け入れながら、日々活動を行うにはどのようにしていけばいいのでしょうか。
活動を無理なく続けていくには、「自分のペース」を知ること
調子のいい時は毎日通い、その後調子が悪くなると何週間も空いてしまい通えないとなると、継続的な活動が難しくなっていきます。
来所するペースに大きな波があると休みもバラつきが出て生活スタイルに定着できなかったり、作業内容の手順を忘れてしまうといったことも出てくるかもしれません。
そうならない為に、どのようにすれば無理なく通えるのかを把握していく必要があります。
自分のペースとはどうしたら掴めるのか、考えられるポイントをいくつかまとめました。
一週間の中で何日来所するのか
毎日通うことだけが正しい通所スタイルではありません。
週2、3回だけ行く、決まった曜日だけ休んで後は全部通うようにするなど、無理なく継続できるような日数を設定することで、生活スタイルが定着しやすくなります。
一日に何時間働くのか
一日に働く時間を設定し、疲れない程度に作業を行うようにすると継続的に活動を行いやすいです。間に休憩時間をどこで入れるのかも考えると、見通しが立ち余裕を持って行動ができます。
体調面に合わせて活動をその都度調整していく
服用しているお薬の副作用で眠くなりやすかったり、気圧の変化で頭痛が出てきやすいなど、その人がどういったことで体調面、メンタル面が不安定になりやすいのか、把握できるところを現場のスタッフに知ってもらうことで、作業内容の変更もその都度スムーズに行いやすくなります。
他にも生活をしていくうえで譲れないことやしなければならないことがあれば、それに合わせてスケジュールを考えていきます。こうして、通いやすい予定を組み立てていくことで、自分のペースを徐々に把握できるのではないでしょうか。
得意なことも、苦手なことも、人それぞれ
自分のペースを把握すると同時に、「得意なこと」や「苦手なこと」を把握しておくと作業に活かせることがあります。
人が多い場所で活動を行っていた利用者さんが、人とお話するのが少し苦手だったため通所ペースにバラつきがありました。
その後スタッフと話し合い、動物と触れ合ったり自然に興味のあるとのことだったので、畑作業をしながらヤギなどの動物のお世話をする活動に変更しました。その後、今ではほぼ毎日通所するようになり、作業にも積極的に取り組まれ、少人数でのコミュニケーションも楽しむ姿が見られています。
このように、ひとりひとりが得意なことや興味のあることを活かし作業に繫げていくことで、その人の長所をのばすきっかけになることがあります。
苦手なことに対しても無理に克服させるのではなく、好きな活動を通して徐々に慣れていくことで、「好きなこと」や「得意なこと」へと変化していけるのではないでしょうか。
周りの人との関わりで支えあう大切さ
現場の雰囲気によって、気持ちも変わっていく
作業内容の他、現場の雰囲気やスタッフとの信頼関係、他の利用者さんとの関わりも活動を継続していくうえでの大事なポイントであると考えています。
現場が常に険悪な雰囲気だと、いくら作業が自分に合っていても通う意欲が無くなってしまいます。スタッフとの信頼関係が足りない状態だと、もしも何か相談しなければならないことがあった時安心して話せなくなってしまい、相談が遅れることによって状況が悪化してしまうかもしれません。
常日頃から利用者さんとのコミュニケーションを大事にすることはもちろんのこと、スタッフ同士の信頼関係も高め続けることが、誰もが安心して活動をおこなう環境作りに繋げていくために必要です。
現場の雰囲気や周りの人との関わり、どちらか一つだけではなくどちらも良好な状態で保つことで、より良い環境作りに取り組むことを大事にしなければなりません。
達成感や周りの人と関わる満足感を味わい、安心して過ごせる場所へ
ひとりひとりが助け合いながら出来ることを高めていき達成感を味わい、活動のやる気に繋がることが安心して過ごせる場所への第一歩になるのではと考えております。
お結びでは、実際に仕事をしていきながら作業内容と得意な面が合っているかどうか、その都度利用者様ご本人と確認しながら、達成感や周りの人との関わりを楽しむ経験を積み上げていくことを目指しています。
ご興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。
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